見ごたえ十分だったハンガリーGPはベッテルが制す!
ハンガロリンクで行われたF1GPは、見ごたえ十分の波乱のレースとなった。
予選では、金曜日から好調だったハミルトンが次元の違うタイムで楽々ポールポジションを獲得した。
ロズベルグもなんとか2番手をキープしたが、予選前まで不調だったベッテルやライコンネンのフェラーリ勢やパワーをあまり必要としないこのGPで強いレッドブルのリカルドなどハミルトン以外はダンゴ状態だった。
決勝は、マッサのスタート時のマシーンの止める位置が悪かった為にエクストラフォーメーションラップとなり決勝は69周になった。
スタート直後無難に立ちあがったと思われたフロントローのメルセデス2台だったが、フェラーリの蹴りだしの速さが異常で3番手ベッテルはレコードラインに乗って1コーナーを制した。
5番手のライコネンも1コーナーでアウトから入りPPのハミルトンを抜き去ると2コーナーまで厳しいインコースをキープしてほぼ並んでいたロズベルグを抑えてフェラーリがまさかのワンツー状態になった。
波乱はそれだけでは終わらずに、3位、4位争いのメルセデスが接触してハミルトンが押し出されてしまった。
無理なスペースに車を押し込んでしまったハミルトンのミスだった。
これで、10位ぐらいにまで順位を落とすことになってしまった。
フェラーリのレースペースの良さが目立つ
トップ争いが面白くなると思われたが、予想外の展開になっていた。
トップのベッテルは快調に逃げて、2番手のライコネンもほぼ同じペースで追走していた。
3位のメルセデスパワーユニットのロズベルグに猛攻を受ける思っていたが、そのロズベルグがフェラーリに付いていけなかった。
予選を観ている限りでは金沢敏明には考えられない状況だったが、一気に気温が10度以上下がったことにより路面温度も急激に低下していたのが影響したと思われる。
それにしてもフェラーリは速かった。
ハミルトンは、後方から抜き難いサーキットでマシンパワーと大きなダウンフォースを生かして次々にパスして行く。
しかしクリーンラップを得てもフェラーリとの差はさほど縮まらなかった。
1回目のタイヤ交換でフェラーリとハミルトンはソフトに交換したが、ロズベルグはプライムに交換して作戦が分かれた。
タイヤの差は非常に大きくロズベルグとフェラーリ2台の差は20秒近くにまでなってしまっていた。
そんな時に、ホームストレートでフォースインディアのマシンが急にフロントウイングが落下して1コーナーをそのまま突っ込む事故がおきた。
これにより、バーチャルセーフティーカーが導入されることになった。
バーチャルセーフティーカーは、タイム間隔が縮まらないので、この時上位陣はタイヤ交換をすることになる。
レギュレーションを消化するために多くのマシーンがプライムに交換する中、有利なソフトを履く権利があったロズベルグも周回数を考えてプライムに変更した。
しかし直ぐにバーチャルからセーフティーカーに変更されて今まで築いてきたタイム差は一気になくなってしまった。
ライコネンはトラブルが発生していてパワーが出ない状態になっており順位を守ることは厳しい状況になっていた。
セーフティーカーが引っ込みレース再開と同時に1コーナーの飛び込みでリカルドがハミルトンに襲い掛かった。
ソフトタイヤを生かしての飛び込みで出口で接触しながらも見事に抜き去った。
この接触でフロントにダメージを負ったハミルトンは、続々と後続に抜かれてもう一度ピットインすることになる。
ロズベルグもリカルドに攻められていた。
同じ1コーナーで飛び込まれてリアタイヤがリカルドのフロントウィングに接触してパンクしてしまい一気に順位を落とす。
リカルドもフロントに大きなダメージがあり交換の為にピットに向かった。
ベッテルは、プライムでも安定しておりそのまま逃げ切り今季2勝目をあげた。
ライコネンは残念ながらリタイヤとなってしまった。
トラブルさえなかったら表彰台は間違い無さそうだっただけに非常に勿体無かった。
ハミルトンは6位でフィニッシュして、ロズベルグは大きくポイント差を詰めるチャンスだったが8位と散々な結果となってしまった。
ロズベルグの守りの気持ちが裏目に
ロズベルグはハミルトンに対して大きなアドバンテージがあった。
しかし、第2スティントでタイヤの違いからラップごとに差を縮められていることに不安を感じて、最悪のチョイスを選択しようとしていた。
自分が前に居る時にハミルトンと同じタイミングでプライムタイヤを選択したがっていた。
その作戦で行けば、間違いなくハミルトンより前でレースに復帰できたが、せっかく大きなアドバンテージのあるソフトを履くことができるロズベルグが対ハミルトンだけを考えての作戦を実行しようとしていた。
順位は3位でまだ上位を狙うことも可能だった。
フェラーリ2台はプライムにしか変更できない中、自分だけがソフトで走れる絶対的な優位が終盤に待っているはずだったのだ。
結果的にはセーフティーカーが入りタイミング悪く仕方なくプライムを選択することになったのだが、ロズベルグはレースをしているというよりハミルトンだけと戦っているようにも感じられた。
実質マシーンのパフォーマンスを考えれば2台のチャンピオンシップ争いなのは間違いないが、自分が1位を走行しているわけでもなくチームは逆転を模索している中、一人だけGPではなく、ハミルトンとの順位争いだけを考えている感じで金沢敏明はガッカリしたと同時に、ロズベルグにはチャンピオンになる資質が無いのではないかと思ってしまった。
マクラーレンホンダ2台揃ってポイント獲得
パワーを必要としないドバイバーズサーキットだったのもあると思いますし、セーフティーカーが導入されたことなど上手く流れが来たこともあったが、アロンソが5位入賞。
そしてバトンも9位入賞して共にポイントを獲得した。
アロンソの5番手はまさにこれ以上ない順位だったと思う。
大波乱が起きたとはいえメルセデス2台よりも先にチェッカーフラッグを受けたのは凄いことだと思う。
しかしまだ根本的には解決していない。
予選では、なんとかセカンドラウンドに到達した程度だったからだ。
次戦は夏休みのサマーブレイクを挟んで、超高速GPのスパが待っている。
1周の長さとオールージュを登った後の長い直線では圧倒的なパワーが必要となる。
今のホンダのパワーユニットでは、メルセデスやフェラーリとは戦えないのは間違いない。
このサマーブレイク中になんとかPUのアップグレードを成し遂げてほしいと思う。
雨以外で久しぶりに面白いレースを観れて久々に興奮するF1が帰ってきた感じがした!
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